令和時代の幕が開きました

「令和」は日本の古代の歌集「万葉集」から選ばれた元号です。
「めぐろ区民キャンパス」の北西の角に、その万葉集の歌碑があります。
歌は円形の石に三首の歌が刻まれています。これらの歌は、8世紀頃に荏原郡(目黒区を含む東京西南部の地域)の防人(さきもり:古代の中国大陸・朝鮮半島と九州との国境を警備する軍人)とその妻によって詠まれたものです。歌は、ひらがな文字やカタカナ文字のない時代でしたので、東国(今の東京を含む関東地方辺り)の方言を交えながら、万葉仮名で書きあらわされています。
これらの歌を含む万葉集第20巻には、防人(さきもり)として東国から遠く九州に派遣されて故郷に残してきた妻を気遣う歌、生還の困難な夫を案ずる歌が数多くあり、いずれの歌も人間味にあふれ、夫婦の愛情が伝わってきます。
万葉集の時代に思いを馳せながら、1日を過ごしてみてはいかがでしょうか?
yakumo111
万葉集には、次の3首の歌は、天平勝宝7年2月29日(755年4月15日)に詠まれたとあります。

万葉集第20巻の4415番の歌「しらたまを てにとりもして みるのすも いへなるいもを またみてももや」
歌の意味「真珠を手にとってしげしげと眺めるように、家にいる愛しい妻を再び眺めたいものだ。」
作者「荏原郡の書記官 もののべのとしとこ」

万葉集第20巻の4416番の歌「くさまくら たびゆくせなが まるねせば いはなるわれは ひもとかずねむ」
歌の意味「旅行くあなたが着物をきたままごろ寝するのですもの。家にいる私だって紐を解かないでそのまま寝ましょう。」
作者「もののべのとしとこの妻 くらはしべのとじめ」

万葉集第20巻の4418番の歌「わがかどの かたやまつばき まことなれ わがてふれなな つちにおちもかも」
歌の意味「私の家のそばに咲く椿のように可愛い彼女には手を出さないできた。けれどもこのまま旅立ってしまえば、他の男の手に落ちてしまうかもしれない。」
作者「荏原郡の国造(郡を統治する官職)の使用人 もののべのひろたり」